ぼんやり覚えてたアニメを探してた話

幼少期にどっかの家にお邪魔させていただいた際に観た動物のアニメが妙に印象に残っていて、そこから10年以上経っても心のどこかでずっと気になっていたということがありまして。

それもその時食い入るように観ていたとかではなく、偶然ちらっと観た程度のもの。なのに、ずーっと脳裏にこびり付いている。多分、あるあるエピソードだと思います。

本当にちらっと観ただけなのでなんの動物かもはっきりと覚えていなかったし、話の内容もあんまり覚えていない。
情報がおぼろげすぎて、そもそもあれってアニメだったんかなとすら思い始めてしまう始末。これでは探しようがありません。

気になってしょうがない幼き頃の自分は、似たような雰囲気のものを探していけばいつか辿り着けるかもしれないと考えるようになりました。そしてその情景を頼りにイメージが被るものを近所や学校の図書館で発見次第、触る習慣が身に付きました。

童話みたいな雰囲気だったような気がしたので、まずは絵本や童話をかたっぱしから読み漁っていくつかの話を頭に叩き込んだあと、児童文学とかも読み漁るように。レンタルビデオ店に行ったときもそれっぽいジャケットのものを見つけたら自腹で借りたりしていました。

覚えてる範囲でこの頃よく読んでた本は、アンデルセンとかふたりはともだちとかアタゴオルとかデルトラクエストとか。…デルトラだけなんか毛色違うのでこれは風潮に乗っかって読んでいたような気がする。世代バレますねこれ。

その影響で、いつしか詳細も正体も不明な映像作品を追いかける目的は曖昧になっていき、純粋にかつて見た情景に惹かれて絵本的な世界にのめり込んでいく…という形にシフトしていきました。趣向の構築ってこういうもんなんだろうなと子供ながらに考えていました。

 

・・・で、その散々探していた作品のタイトルが「霧につつまれたハリネズミ」というロシアのアニメだったということを知ったのは高校生になってからでした。結構いい線いってたっていう。

www.youtube.com

物心ついてからこの作品を視聴した時、この作品の画から得たものを無意識に反芻してたんだなぁ、自分の好みの根っこってこういう部分にあるんだなぁ、とじんわり噛み締めていた覚えがあります。

日常のちょっとしたことに疑問を抱くところとか、そこから拡張されるダークさ、シニカルさ、そこにキャッチーさも兼ね備えている煮ても焼いても食えない面白さ。

改めて見てもおもしろい話でした。これ切り紙アニメなんですって。根気が凄まじい。

数年前にこの監督のショート作品集をブルーレイで買ったんですけど、フィルムに映るちょっとした塵まで鮮明に映ってるレベルの綺麗さで感動しました。

ユーリー・ノルシュテイン作品集、オススメです。(話の着地点が見つかりませんでした!)

www.wowowplus.jp

 

 

ちなみにこのユーリー・ノルシュテイン氏、十兵衛ちゃん2 〜シベリア柳生の逆襲〜というアニメで声優も担当した経験があるそうです。

たまたま来日していたところ担ぎ出されたらしいです。なんでだよ。